先ほど、1/17に放送された神戸にあるサンテレビの「被災局サンテレビの記録と記憶」(未明3:00~5:30放送)という番組を見終わりました。
全体の印象として、震災当日の様子をライブのようにありのまま当時の映像を見せようという番組の作り方をしていました。司会者や解説者といった2015年現在の視点から当時を振り返る人物や第三者的な立場から説明するナレーションも置いておらず、聞こえる音声は当時撮影したカメラマンの声、カメラに写っていた被災者や救助者の声及び火災の音やヘリコプターやサイレンの音といった撮影時に記録された周囲の音だけです。また、撮影場所のテロップを除き、状況をわかりやすく説明するための資料は一切出てきませんでした。一見、不親切な作りとなっていますが、当時の雰囲気をそのまま見せるという点では良かったと思います。要点を押さえた編集は行われているため、何を伝えようとしているのかわからないということはありませんでした。また、2時間半に及ぶ番組で一切、CMがないこともそういう番組の作り方に対するサンテレビの強い意思を感じることができました。
サンテレビの本社は人工島であるポートアイランドにあり、ポートアイランドも震災の被害を受けました。番組冒頭ではサンテレビ本社の様子を伝えていましたが、まさに滅茶苦茶な状態であり、本来であれば、他人のことに構う余裕などなかったはずだと思います。また、当時神戸市中心部と唯一結ばれた神戸大橋が破損し、車両通行ができなくなり、ポートアイランドとの行き来に徒歩しか手段がないにもかかわらず、1月17日の兵庫県内の被災地(北区や西区以外の神戸市や淡路島北部等)をよく撮影したものだと思います。
映像では頑丈と思われたビルや高速道路等の高架があっけなく崩壊し、瓦礫となった街並、必死に生き埋めになっている人を救助する人々、また病院で無事なことを確認し、安堵のためか喜び泣く人々、また、人手や機械がないため、生き埋め者を救助できない、あるいは火事が発生しているのに、水が出ないため消火できないといった無力感、そういった人々の背後に響くヘリコプターの爆音や鳴り止まないサイレンの音などが記録されており、被災当日の様子がよく伝わっていました。
更に、被災地の人々が非常に冷静であり、出会った人々がカメラマンの質問に対し、淡々と答えていました。落ちた道路上を走っていたドライバーがその状況を説明していたのが特に印象深く感じました。また、被災地でのスーパーでも買い物をする順番を秩序正しく待っている様子も印象的でした。
番組は1月17日の暗くなった神戸三宮の様子と朝から火災が続いている神戸長田の様子を放送して終了しました。
そして、神戸市役所の南側にある東遊園地で毎年行われる慰霊式典の放送にバトンタッチされました。
過去に囚われすぎる必要はないとおもいますが、次に発生する災害のために、(この番組では述べられていませんが、どう行動すべきか等の対処方法も含め、)こういった記録や記憶は大切に後世に残すべきではないかと感じました。
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