2007年(平成19年)11月1日~11日にかけて、堺市内にある16ヶ所の寺社・施設で普段非公開の文化財が特別に公開されることになりました。(一部の施設では9日~11日、あるいは11日のみ公開です。)
この特別公開はテレビや広報、あるいは駅設置のパンフレットで報されていました。そのため、この3日、4日はこれらの寺社・施設を巡回する人々を多く見かけました。ただ、遠方の人は少なかったようで、堺市内もしくは大阪府内の方が主だったようです。
この特別公開の特徴は非公開の文化財が公開されること以外に、観光ボランティアの方々がその文化財について、見学客に付き従い、説明をしてもらえることです。堺市に生まれながら、知らなかったこともたくさんあり、非常に勉強になりました。
スタッフの方々の動きをみていると、やる気が感じられ、好感をもちました。カウンターで訪問数をチェックしているようで、観光客がどれだけくるかの実験も兼ねて特別公開を行っているようです。また、妙国寺に堺市の観光に関する部署の幹部の方もいらしており、堺市のやる気を感じました。
観光ボランティアの方々のお話を聞いてみると、現在の市長になり、堺市を観光都市として売りだそうとしているようです。実際に、旅行会社にも色々と働きかけているそうです。そう聞いてみると、名所・旧跡の整備(旧堺港の灯台の整備等)が進められ、その案内もきれいで、わかりやすいものになっている理由の説明がつきます。
ただし、堺市が観光都市として機能するには、致命的な欠陥があるそうで、それらが次のものです。
- 多くの観光バスが駐車することができる駐車スペースがないこと。
- これがないとツアーバスを駐車させることもできません。
- 公衆便所の設置がほとんどないこと。
- 観光客も人間ですので、用を足す場所が必要です。
- 堺のお土産を集中させたお土産センターがないこと。
- お土産を買うのも観光の楽しみのひとつであり、堺にはお土産になるものが多いですが、所在がばらばらであり、どこで購入すればいいかわからないのが現状です。
観光客はバスのみで来るわけではなく、電車(この場合、南海本線(堺駅)、南海高野線(堺東駅)、JR阪和線(堺市駅))で来る場合もあり、それらはいずれも堺の観光資源からは離れた場所にあります。これらの鉄道と観光資源を結合するための装置として、大小路に敷設するLRTと阪堺線を位置づけようとしているのでしょう。そのため、阪堺線堺市内廃止を阻止したいのでしょう。また、阪堺線はその存在自体が観光資源です。(ちなみに、LRTについて、軌道敷設・架線設置等の工事が再来年ぐらいには行われる予定みたいです。来年の堺まつりのパレードにはふ とん太鼓が出る予定があるそうですが、再来年はないようです。堺まつりのパレードはLRTが敷設される予定の大小路で毎年行われています。)
いずれにしても、堺市が同じく路面電車をもつ函館や長崎のような観光都市になるには、いろいろな問題をクリアしなければならないようです。また、堺の住民と観光客との摩擦も生じるでしょうから、その道のりはまだ険しいと思います。
ちなみに、まだ文化財を見ていない方は、特別公開は来週の土日までやっているので、是非堺市へお越し下さい。
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